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2015.06.26更新

別居後はどうやって決めたらいいの?

婚姻費用は,家族がその資産・収入・社会的地位等に応じた通常の社会生活を維持するために必要な費用であり,夫婦が互いに分担することになっています。

別居にあたって,あらかじめ夫婦間の契約書や公正証書等により具体的な婚姻費用の分担の合意がなされていた場合,その合意はもちろん有効になります。ですから,夫婦の間の私的な合意であれば民事訴訟で判決を得て,公正証書であれば強制執行を通じて権利の実現を図ることができます。

では,別居にあたって特段合意がなかった場合,別居後の婚姻費用はどのように決めたら良いのでしょうか。

まず,別居後であっても夫婦の間で協議してお互いが婚姻費用について合意できれば,以後,合意した金額の婚姻費用を相手から支払ってもらうことができます。もし夫婦で直接協議することができないときは,弁護士が間に入って交渉することもできます。そのうえで,相手が合意したにも関わらず支払わなかったときや途中で支払いを停止したときは民事訴訟で判決を得て強制執行をすることになります。

次に,協議することができない場合や協議しても合意できない場合は,家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てて,調停委員を交えて金額を決定していくことになります。そこで婚姻費用の金額が決定すれば,その金額を請求することができます。

もし調停でも決着がつかないときは,自動的に審判手続に移行して家庭裁判所が審判という形で婚姻費用の金額を決定します。夫婦それぞれの収入額,扶養すべき子どもの人数や年齢,その他の事情を考慮して適正な金額が決定されます。

当然のことですが,もし相手が調停や審判で決定した金額を支払わないときは,調停調書や審判書に基づいて強制執行することができます。

実務上,婚姻費用の金額については,いわゆる「標準算定方式」という計算式が提唱されており,標準算定方式をベースに作成された「婚姻費用算定表(以下「算定表」といいます。)」を利用して金額を算出することが多いです。家庭裁判所の調停や審判でも算定表がよく利用されています。また,弁護士が交渉する時も目安として算定表は必ずと言っていいほど確認します。本来,夫婦が互いに納得して婚姻費用の金額を合意できるのが一番ですが,それができない場合はどうしても算定表を利用せざるをえないところがあります。

もっとも,あくまで算定表はひとつの目安に過ぎませんので,算定表を利用することによって,逆に著しく不公平となる事情がある場合には,そのまま利用することはできません。その場合は個別的・具体的な事情を検討して適正な婚姻費用を算出していくことになります。

 

投稿者: 名古屋大光法律事務所

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