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2015.06.20更新

監護権者になるには?

監護権者とは、お子さんに対する監護権を持つ親のことです。

「親権とは?」の回で、お伝えしたとおり、親権には2つの内容があります。①身上監護権(お子さんの普段の生活の面倒をみる、子育てをする権利・義務)と、②財産管理権(お子さんの財産を管理したり、法的な手続をする場合に、お子さんを代理する法定代理人となる権利と義務)です。

「監護権」とは、上の①身上監護権のことです。

なお、例えば、夫と妻が両方とも、経済的に苦しかったり、病気でお子さんの面倒が十分にみられないといった事情があるときには、お子さんの祖父母やおじ、おばなどの親族でも良いとされています。

実際に、親権を2つに分けて、監護権者を決めなくてはならないのは、離婚の話合いや調停などの手続で、例えば、夫が、「親権をもらえれば離婚に応じる、でも自分は仕事もあるので、子供の普段の面倒は妻に任せる」といったような場合でしょう。妻としては、「子供と一緒に暮らせるなら、また夫から養育費をもらえるなら、夫の言い分に従った方がいいかもしれない」と思うかもしれません。

しかし、親権の2つの内容は、どちらも、お子さんのために不可欠なものであって、本来、分けるべきではなく、お子さんの普段の生活の面倒を見るのにより適している方が、親権を全部持つのが原則なのです。

また、先ほどの例でも、夫は、親権者でなくても「親」であることに変わりはない以上、お子さんに対する扶養義務があり、養育費を払わなくてはなりません。なので、妻は、養育費をもらうために夫に従う必要はなく、無理に親権と監護権を分けなくてもいいのです。

さらに、いざお子さんに法律的な問題が生じたとき、妻に監護権しかないと、直接対応できないので、親権者である夫に連絡して対応を任せなくてはなりません。夫と直接やりとりするのに時間がかかると、お子さんにとって不利になる場合もあるでしょうし、ご自身にとっても苦痛を感じてしまうかもしれません。

また親権者は、「子の引渡し」を求めることもできるので、いきなりお子さんを渡すよう、求められる可能性もあるのです。

このような理由からしても、安易に親権を分けることは避け、心配なときは弁護士に相談されるとよいでしょう。

なお、例外的に親権を分けることが認められるのは、例えば、離婚の手続が順調に進まず、お子さんが不安な気持ちを抱き続けて、体や精神面に良くない影響が出てしまっているような場合です。このような場合は、できるだけ早く離婚を成立させて、お子さんも新しい生活を始めることができるよう、例外的に、親権者と監護権者を分けることが可能です。

なお、一旦は親権を相手に譲ったとしても、お子さんの面倒を見続けてきたという実績をもとに、将来、「親権者の変更」を申し立てることもできます。いずれにしても、例外的なことで、上に書いたとおりの不都合もありますので、一度、弁護士に相談した上で、決断するのがよいでしょう。

監護権者を決めるには、まずは夫婦の話合い(協議)です。

この話合いができない、話合いをしても決まらない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てます。

投稿者: 名古屋大光法律事務所

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